10月2日より都島教室を新たに開講いたしました。現在、43歳から84歳まで幅広い年齢の方が受講されています。都島教室で行っている講座の主な内容を画像でご紹介します。クリックすると大きい画像をご覧になれます。
都島教室 開講日時
第1・第3火曜日 10:00~11:00
第2木曜日 14:00~15:00
受講料:4,500円
場所:都島カルチャーセンター 研修室
申し込み・お問い合わせrodokugaku@gmail.com
先月と今月、2人の図書教諭の方に「先生のための音読教室」を開きました。お二人とも私立学校の先生で、お一人は教員歴およそ30年というベテランの方、もうお一人は大学を出て3年という若い女性でした。この方々が私に指導を依頼された理由ですが、まずベテランの先生は「今まで子どもたちに読み聞かせをしてきたが、自分のやり方が正しいのかどうかわからないから」というものでした。そして、若い先生は「低学年の児童に初めて読み聞かせをするのでプロに教えてもらって自信をつけたい」とのご依頼でした。
私は常々教育現場に音読をきちんと学んだ先生がおらず、そういう状況で子どもたちに本の読み方を指導されていることに疑問を抱いていましたので、喜んで個人レッスンをさせていただきました。
子どもたちに読み聞かせをするうえで、真っ先にイメージされることは、読み間違えず噛むことなく、きれいに最後まで読みきるというものではないでしょうか?もちろん大事です。でも、これが最重要項目ではありません。言いにくい単語は口をこうすればはっきり聞こえますよ、とか、この音の出し方は舌の位置を…と、細かく指導すればすぐに改善されます。しかし、大切なのはそこじゃありません。いかに深く子どもたちに作品を印象付けるか。物語の世界に入ってもらうか。10分あるいは15分という時間で児童たちに様々な感情を抱かせ、先生が読んでくれた本のことを、この読み聞かせのときの雰囲気とともに将来思い出してくれるような内容にすることが重要です。
私が先生に音読指導するときは、この目標を据えてマンツーマンレッスンを行っています。作品と目の前にいる子どもたち。読み聞かせの本番をしっかりとイメージしながらレッスンしていきます。自己満足で終わってはいけません。この場面でどんな表情を児童たちは見せてくれるかな?と想像しながら練習してください。そこはもう少し考える間が必要です。急いで次の言葉を読み始めていけません。悲しいときはこういう言い方になりますよね。というように、ページごと場面ごとに、より伝わる読み方にするコツをアドバイスします。技術ではなく、ハートです。本と自分だけの関係に決してならないように、愛情を持って内容を伝えることがどこまでできるか。練習を重ねると文章になれてしまい、ハートの部分が弱くなってしまうので、私は繰り返し読み込むことをすすめません。初めて作品を読んだときに感じた新鮮な気持ちをキープしたまま、鮮度を落とさずに子どもたちに読み聞かせをすることも大切です。
このようなことを学校に直接お伺いして指導させていただいています。読み聞かせに自信がないという方、また国語の音読指導で悩んでいるという先生は是非ご連絡ください。微力ながらもお手伝いさせていただきます。
お問い合わせ rodokugaku@gmail.com 大阪朗読楽
先週、枚方市内の学習塾で冬休み期間中の子どもたちを対象にした音読教室を開きました。参加したのは小学4年生から6年生までの児童6人。男の子3人、女の子3人でした。実は、この試みは昨年春からずっとあたためてきた内容でした。
私が週に一度、朗読の指導をしている塾講師の男性。この先生は、小学生の音読に力を入れたいとの思いから、まずご自身が、本を声に出して読むコツを学ぼうと大阪朗読楽に問い合わせてこられました。去年の春から9カ月、個人レッスンを行い、最初の頃は長時間にわたって声を出して読むことにかなり疲れていらっしゃっいましたが、今では集中力が途切れることなく、毎回それぞれの箇所で私がアドバイスした内容を見事に読みに反映させておられます。この講師の男性は、塾で本を読むときの子どもたちのいきいきとした姿が大好きだとおっしゃいます。なかにはうまく読めない児童もいます。逆に上手に読む小学生もいます。そうした子どもたちに的確なアドバイスや指導をして、うまく読めない子には本を読むのが好きになるように、そして上手に読める児童には、より豊かな表現をしてもらおうと、私のレッスンを受けてこられました。そうしたつながりの中で、今回、子どもたちを集めて、私が直接音読の指導をしてみて、その変化や反応を見ようということになったのです。
音読教室で子どもたちが読んだ作品は「茂吉のねこ」と「三年とうげ」です。「茂吉のねこ」の学習ガイドにはこんなことが書いてありました。
『音読のしかたに工夫を加えてみましょう。
・声や言葉の調子を使い分けて、茂吉、ねこ、化け物を表現してみる。
・効果音を入れるとしたら、どこに入れたいか考える。
・声を合わせて読むといいところを考える。』
さて、はたして何人の小学校教諭がこの教科書に書いてある『音読の仕方の工夫』について指導できるでしょうか?昨今の教育現場での詳しいことは知りませんが、私が小学生のとき、この内容を指導できる先生はひとりもいませんでした。今は、国語の教員をめざす学生はみんな音読を学んでいるのでしょうか?また、教師になってから、そういったワークショップで勉強しているのでしょうか?残念ながら私はそんな話を一度も聞いたことがありません。あくまで推測ですが、きちんと音読の仕方について説明できる先生はほとんどいないでしょう。また、教科書にもいい加減なことが書いてあります。「効果音を入れるとしたら、どこに入れたいか考える」、「声を合わせて読むといいところを考える」。こんな内容は、音読の仕方の欄を埋めるために無理やり記載したもので、これを考えたり試したりしたところで、国語力も表現力もアップしません。しかも、「茂吉のねこ」で声を合わせるべき箇所は「ころすべし」、「死ぬべし」です。わざわざこのような言葉を子どもたちに言わせる必要はありません。
とにかく、現在の小学校において音読の指導については、教員は無知、そして教科書もいい加減。私の印象ではほぼ誰も手をつけていない領域です。でも、人前で本を読むことを楽しめたり、一歩進んで、文章にふさわしい表現ができるようになったりすると、その後の人生においてはプラスの側面が多いと思います。だからこそ、私はこれまでの仕事などで身につけたことをどんどん子どもたちに伝えていきたいのです。
そんな思いを胸に開いた小学生のための音読教室。保護者の方々も見守る中、およそ1時間半、子どもたちに声を出して作品を読んでもらいました。私がこの日いちばん伝えたかったポイントは、作品に出てくる言葉を、その意味どおりに表現すること。「痛い」は痛いように、「熱い」は熱いように、「うれしい」はうれしいように、「悲しい」は悲しいように素直に表現すればいい。音読でそれを学べば、日常生活でも自分の感情をストレートに表せるようになるでしょう。何に悩んでいるのか、なぜ元気がないのか。そういったことを内に秘めることなく、どんどん出せるようになれば、親が気づいてやれず状況が悪化し、子どもたちの悩み、苦しみが増すようなこともなくなるのではないでしょうか?音読教室では、漢字のたびにつまってしまって思うように読めない児童もいました。いっぽうで、私の一言のアドバイスで保護者のみなさんが驚くような豊かな表現のできた小学生もいました。うまい、へたは関係なく、なにより声を出して読む楽しさを感じてほしいを一生懸命指導しました。反省点としては、普段小学生に何かを教えるということをしていないので、アドバイスするときの言葉が少し難しかったかな?もっとやさしい単語にすればよかったかな?というような点がありますが、音読教室に参加した女の子が「楽しかった」とか「少しのことで変わるんだなあと思いました」などとうれしい感想を話してくれたので、まずまずの手ごたえを感じています。また機会があればぜひ小学生のための音読教室を開いてみたいと考えています。
大阪府内で塾を経営されている男性から問い合わせがありました。
「新年度から、小学生対象に読み聞かせ・音読の指導をしたいと考えており、
読み方を教えてもらえないでしょうか?」
私は常々、読んだり話したりするのは誰にでも必要なのに、学校教育の現場で本を声に出して読むことや話し方を学ぶ機会が少なく、また、それらを指導できる人がいないことに疑問を抱いていました。そういった中で届いたメールでしたので、すぐに男性とお会いし、今後どのように塾で指導をしていきたいのかを詳しく伺ってきました。そして、来月から指導させていただくことになりました。
子どもたちに読むことを教えると3つのメリットがあると思います。まず、大きな声ではっきりと読む習慣ができると子どもたちに積極性が出てきます。思い出してください。小学生のときの国語の時間を。新たに学ぶ物語や詩を最初に声を出して読みますよね。「誰か読んでくれないか」と先生が言ったとき、いつも手をあげるのはクラスの優等生。ほとんどの子どもたちは、先生と目が合わないようにして体を小さくします。当然です。読み方を誰からも教わっていないのですから。自信がありません。そうして、6年間、手をあげて読む児童とそうでない子どもというふうに自然と分かれてしまいます。すごくもったいないと思いませんか?知らないうちに、自分は読むのが苦手だとか、人前で話せないと思い込んでしまう子どもが増えてしまうのです。読む機会を増やす。子どもたちにきちんと指導する。素晴らしいと褒める。これだけのことで、積極的な子どもたちがうんと増えると私は考えています。機会も教える人もいないという現状で、今後はどんどんと様々な場所へ出向き声に出して読む楽しさを広めていきたいと思っています。
子どもたちに読むことを教えるメリットの2つめは、感情表現が豊かになるという点です。アクセントがどうとか、発音・発声がどうだとかそんな細かいことはどうでもいいのです。ただ、作品の中にある喜怒哀楽を子どもたちにはその通りの感情を込めて読むことが重要だと考えています。嬉しい、楽しい、怖い、悲しい…。声に出して本を読むことで身につけた感情表現は、実生活でもきっと役に立つことでしょう。自分の感情をそのまま相手に伝える。何か問題にぶつかったときの心のモヤモヤをきっちりと外に出すことによって、小さな胸に複雑な感情を抱いたままにさせないことが必要だと思います。
子どもたちに読むことを教えるメリットの3つめは、伝わる喜びを知るという点です。本の内容を同級生たちに伝える。どうすれば伝わるのかを考え実践し、相手に届いたときの充実感をぜひ子どもたちには知ってもらいたいです。そうすれば、国語のみならず、他の教科でも自分の思ったことを発表できる児童が増えると思います。頭に浮かんだことをどう言葉にしていいのか、どのようにして伝えればいいのかを声に出して本を読むことで身につけていくのです。読むことと話すことは、密接に関係しています。
ざっと3つのメリットを紹介しましたが、まずは4月から塾で指導をして、私のアドバイスを受けた男性がどのようにそれを子どもたちに伝えていくのかとても楽しみです。熱心な方です。子どもたちに読む楽しさをたっぷりと伝えてくださるはずです。小学生のときに出会った作品、何度も読んだ作品は、きっと子どもたちにとって将来の財産となるでしょう。今後、学校への出前授業なども展開していきますので、関心のある方は、rodokugaku@gmail.com までお問い合わせください。